かつての風俗街には、ウケをとることしか考えていないように思える、面白くて珍妙な店名の風俗店がよくありましたよね。
アイドルや美人女優の名前、人気を博したドラマやマンガのタイトル、強い印象を残したCMや楽曲のフレーズなどなど……。
中には、デ●ズニーのキャラクターや映画タイトルからインスパイアされたと思しき風俗店もあって、街行く人を驚かせたものです。
今でも老舗のファッションヘルスなどに少し残っていますが、全体的に見れば愉快な店名を冠したお店はかなり減りました。
自分から積極的にそういったお店を利用しようとは思いませんが、風俗街から個性的な看板が姿を消してしまうのは寂しいものです。
なぜユニークな店名の風俗店が減ってしまったのでしょうか。すすむなりに少し解説してみます。
路面に看板を置けなくなったから
最も影響が大きいと思われるのは、風営法の改正があり、おおっぴらに路面へ看板などを出すことができなくなったことでしょう。
これにより、お店の広告はネットや雑誌、案内所などに頼らざるを得なくなりました。
すると、どんな雰囲気のお店で、どんな風俗嬢がいて、どんなプレイができるのかが伝わりやすい店名、つまりはお店が掲げるコンセプトを店名に冠した風俗店が選ばれるようになったのです。
実際、風俗としては後発であるデリヘルは、店名が具体的な店舗が多いですよね。
「若妻」「人妻・熟女」「素人」「学園系」「ギャル」など在籍するデリヘル嬢のタイプや、基本のプレイ料金を店名に冠したデリヘル店も珍しくありません。
新規のお店を開拓しようという時は、やはり大手風俗検索サイトなどで女性のタイプやプレイ内容、価格といったキーワードからお店を検索しますからね。
面白くはありませんが、わかりやすいです。
「開店or閉店セール」を続けていた風俗店が淘汰された
一部の老舗店を除くと、ユニークな店名の風俗店は、開店→閉店→店名を変えリニューアル→閉店……という工程を、割と短い期間で繰り返すことが多かったと思います。
開店記念セールでお客の目を引き、物珍しさが薄れたタイミングでスパッと閉店。その際はもちろん閉店記念セールを行います。
そしてまた、インパクトのある店名をつけて再出発。常に「開店or閉店セール」を続けている小売店のようなものですね。
そうやってお店を維持していたわけです。ただ、ご存じのことかと思いますが、店舗型ヘルスは店舗数が何年も減少し続けているような状況です。
在籍する風俗嬢のルックスやプレイ、店員の対応で人気を獲得している風俗店であればともかく、このご時勢では物珍しさでお客を集めていただけのお店が淘汰されてしまうのも無理はありません。
「開店or閉店セール」に頼る風俗店が淘汰されたのは、風俗客にとっては歓迎すべきことでしょう。
しかし、街角で面白い名前のヘルスを見かけて、酔った勢いで入店!エライ目に遭いました!といった体験談も、それはそれで飲み会のいい肴になったものです。
個性ある風俗店が減るのは少し寂しい気もします。今度どこかの風俗街で、長く生き残ってきたユニークな店名の風俗店を見かけたら、その時はぜひチャレンジしてみようと思います。